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同窓会だより・ワイヤ〜ド

第10号

2004 年発行
30周年記念同窓会大会を振り返って
畑尾 武海 さん
退官・転出教官からのメッセージ
江口 正晃 先生
世界に羽ばたけ、総科生
岡田 大介 さん
吉本 和弘 さん

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30周年記念同窓会大会を振り返って

畑尾 武海理事

総合科学部昭和54年度入学 (博報堂)

昨年の夏の同窓会理事会で総合科学部創立30周年を機に同窓会大会を開催しようとの話が持ちあがった。創立20周年の際に形式的に同窓会大会を行ったものの、全同窓生に呼びかけての大会は未だ開催されたことはなかった。  学部としても様々な記念行事が予定されており、同窓会として何もやらない訳にはゆかないと、開催を決定。時期はお盆前後の土日、場所は可能であれば、創立の地である東千田キャンパスで行おうと言うことになった。

しかし、東千田キャンパスは04年に開校する法科大学院の校舎として改装される予定であり、その詳細が決まっていない。そこで、場所が分かり易く料金もリーズナブルなメルパルク広島の8月8日の平安の間を仮押えした。そして、残念ながら東千田キャンパスの状況が不明のままタイムリミット。メルパルク広島に決定し具体的に企画に入った。

先ず、理事それぞれが同期等に「呼びかけ人」を募り、ホームページに速報を掲載。また、先生方の出席が参加の大きな動機になろうと、先行して案内状を送付し出欠を確認。  論議になったのは参加料。「1万円ぐらいで良い」と言う意見と「なるべく安い方が 良い」と言う意見が出て、結果的に開催日が8月8日と言うこともあり8,800円に決定。(この金額の是非は、次回の為にご意見を頂きたい。)同伴者料金や協力金は3,000円となり、田中理事編集の総科OB特報を同封し案内状を約4,000人に発送した。

最初はなかなか申し込みが増えず心配したが、坂田(省)理事の予想通り、締切り前後に急激に申し込みが増え、最終的には当日申し込みや子供達も入れて220人の参加。

当日の模様は、これも田中理事編集の特報を見て頂くにして、懐かしい再会はもちろん、新しい出会いもあり、今後の新しいビジネスにも繋がったと聞く。総合科学部の同窓生の活躍する分野の幅の広さに改めて感心した次第。期によっては2次会で更に盛り上がった様子で、今回の大会が新たな結束を生んだようである。ただ、参加者が皆無の期があったのも事実。学年幹事を設けることなど、今後の同窓会の更なる充実化の方向性も窺えた。

5年後に第2回開催の予定だが、今回の反省を活かした準備・運営がされることと思う。


退官教官のメッセージ

江口 正晃

数理情報科学 平成15年度退職

「新たな役割」

大学紛争がまだ明けやらぬ1970年秋に総合科学部の前身である教養部に着任しました。広島大学では、この紛争を契機に、教養部の劣悪な教育・研究条件を改善し新し いリベラルエデュケーションを行う総合科学部設置が大学改革の中心課題の一つに挙げられ、創設準備のための熱気あふれる議論がなされていました。我が総合科学部はこれらの議論をもとに、当時の飯島学長、今堀部長をはじめとする関係者の努力と多くの方々のご支援によって実現できたものであり、今年が創立30周年にあたることはすでにご承知の通りです。この春定年退職いたしましたが、この間長い期間にわたって学部の管理運営にもたずさわってきましたので、文字通りに、私の広大での人生は総合科学部とともにあったというのが実感であり、定年の年に創立30周年を迎えたことはとくに感慨深いものです。

この4月から国立大学法人広島大学で非常勤講師として教育のお手伝いをしております私には、初々しい新入生を迎えた大学は昨年同様で何の変化も感じられませんが、大学の管理運営体制や経営など大改革が実行に移されており、広島大学はもうすでに私の想像を超える形のものに変わってきています。「国立大学法人」ということで、競争に敗れた私立大学が倒産・廃校となることと同様なことは当面はないにしても、これからは他のすべての国立大学法人が生死をかけた競争相手となり、広島大学も強者だけが生き残るという極めて厳しい環境下に置かれるわけです。このような環境激変のもとで、広島大学は文化の継承発展に責任を負うことを前提にしつつも大学全体の見直しはさけられない、従って、総合科学部も大きな変革を求められることはさけられないと思われますが、関係者には多大の努力をお願いして、総合科学部の上の大学院設置など、逆にこの機会を新しい学部発展のチャンスにしていただきたいと思っています。

すでに法人化と同じような形態をとっているアメリカの州立大学などを見ますと、大学の発展にとって同窓会が大きな役割を果たしているようです。大学に対してサポートもするが発言もするという役割が今後の同窓会に望まれ、親睦を旨とする現在の同窓会がもう一つの役割を担う日がくるのかもしれません。


世界に羽ばたけ、総科生

岡田 大介

総合科学部昭和53年度入学

私ごとですが、1995年?2002年6月までの7年半、台湾の台北市に駐在しておりました。台湾では、NHKも受信できるし、日本の新聞も当日午後には手に入りますので日本の情報を入手するのには問題ありませんが、最初に困ったのは、現地の情報です。政治・経済から社会一般情報は、仕事上の必要性のみならず、一般に生活するうえでも影響を受けます。(交通情報、買い物情報や郵便料金の値上げ・ゴミ袋の有料化などなど)こんなことなら大学時代にもっとまじめに中国語を勉強しておくんだった、なんて言ってもニュースが読めるレベルになるには相当な修練が必要です。こんなときに私が頼りにしたのが、台湾の記事を集約して日本語で提供してくれる「台湾通信」という雑誌でした。

この雑誌、本文一色の見た目のデザインはともかく、旬の情報をすばやく、しかも正確に取り上げてくれるので、私は毎週欠かさずチェックしておりました。編集後記も取材の裏話や台湾社会への見方が示唆に富んだ編集人の意見が参考になり、実は一番の愛読箇所でした。何気なく、その編集人の名を見ると「早田」とあります。どこかで聞いた名前だなあとは思っていたのですが、後にそれが総科の一年先輩の方であることがわかりました。別の仲の良い先輩に伺うと、大学時代から「中国語」や「中国関係」に関心が深く、勉強されていたそうです。私などはただの企業の駐在員に過ぎませんが、彼はそこに定着し、北京語・台湾語(台湾住民の約8割は、台湾語、しかも北京語とは全く違う言葉を使え、私がある程度北京語ができるようになると、聞かれたくないことは台湾語を使ったりします)を駆使し、まさに学生時代からの関心を追求されていることに敬服いたしました。

台湾では、東京や関西の大学の同窓生の会はたくさんあるものの広島大学の集まりなどなかったのですが、この先輩と出会えて、正にこのコラムのタイトルにある「世界に羽ばたけ、総科生」を実感した次第です。

吉本 和弘

総合科学部昭和53年度入学 (姫路獨協大学助教授)

「二人の教授とので会い」

私が入った頃の総合科学部は、文系2、理系2の4コース制だったが、地域文化コースのアメリカ研究とイギリス研究のどちらにするか迷っていた。コース説明会当日もまだ決めかねていたが、並んで腰掛けているアメリカ研究主任の志邨教授とイギリス研究主任の上杉教授を初めて見たとき、イギリス研究に決めた。上杉先生になんとなくオーラのような物を感じ、直感的に引かれたのだ。この選択が自分の人生を決めたのかもしれないと思う。その後先生のオーラは、その類希な知的パワーと厳格さから来ていることを実感することになった。上杉先生の授業は、ロマン派詩人バイロンの長編詩を精読するもので、そのぴりぴりした雰囲気はかつて経験したことの無いものだった。あくまでも正確な訳出を求められ、論拠のない答えには厳しい叱責の声が飛んだ。イギリス研究の英文学関係ではもう一人、ジョイスがご専門の大石教授がおられた。大石先生の授業も厳しかったが、もたもたしていると呆れられて、私がやるから聞いていろとどんどん先へ行かれたものだ。しんどくてイギリス研究を選んだ事を悔やんだ事もあったが、同級の仲間も多く概して居心地は悪くなかった。授業では厳しい先生方だが、コンパでは結構羽目をはずされ、酔った勢いで店のテーブルを割るという事件も起きた。

上杉先生とは妙な巡りあわせで、広大ご退官後、一時同じ短大に勤めた時期もあったが、その頃は結構びびっていた。でも、先生のご自宅の近くの産院で妻が出産した時、息子を見に来てくださった時のやさしい笑顔が今でも目に浮かぶ。大石先生の博覧強記にはいつも驚かされたものだ。しばしば手紙で、読むべき本の事など細かい指示をいただいたが、消化しきれないことが多かった。7年前英国の大学で研修して、はやりのポストコロニアル批評の授業に参加した時、そういえば大石先生が大昔授業で似たような事言ってたよなと気づくことが多々あって、先生は批評の流れを早くから先取りしておられたのだと知った。大石先生が、心ならずも定年前に総科を去られたときはショックだった。しかしその後も個人的にご指導をいただき、ある論文を褒めていただいたときは本当にうれしかった。

だらだらと思い出を書いてみたが、二人の先生との出会いが自分にとっていかに大きかったかを感じている。先生方と自分の学問に対する姿勢にはまだまだ大きな差があるように思い、恥ずかしくなるこの頃である。

広島大学 総合科学部 同窓会 東広島市鏡山 1-7-1
souka-oba@hiroshima-u.ac.jp